
孤独。
数年前まで、僕は孤独をネガティブなものだと思い込んでいた。
今でもきっと多くの人は、孤独は苦しく悲しいものだと思っているだろう。
孤独死なんて言葉も、わりと普通に聞くようになったし。
「人は一人じゃ生きていけない」って、子供の頃からずっと言われてきた。
だから、そうならないように友達を作ったり、結婚をしたり、子供を産んだりするのだろう。
僕も自然と「人との繋がりを大事にしよう」とか、「友達を増やそう」とか、他人あっての自分、みたいな考え方になっていた。
けど、最近の僕は違う。
逆にこうも受け取れるようになった。
人がどんなに一人で生きていこうとしても、人が人である限り、誰かと繋がってしまう。
つまり、本当の意味で「完全な孤独」になることなんて、そもそも無理なんじゃないか、と。
そんな孤独を意識しながら、最近は、なるべく人との関わりを減らすよう、無理に友達を作らないようにもしている。
けど、それでも縁あって、何らかの形で人と出会ってしまうことはある。
それは「人は一人じゃ生きていけない」以上、避けられないことだけど、だからこそ、その“出会ってしまった人”こそが、僕にとって本当に大切にすべき人間なんじゃないか、と思うようになった。
数が少ない分、丁寧に接するべき相手だとも思う。
そう感じたのには理由があって、下重暁子さんの『極上の孤独』を読んだことがきっかけだった。
本ほどコスパの良いものはないし、岡本太郎の言葉も含めて、孤独を前向きに捉える視点に救われた。
とはいえ、僕がこうやって孤独を前向きに語れているのは、本当の意味で孤独な立場じゃなくなったからかもしれない。
結婚をして、幸せでいられている。
友達がいなくても、外で飲まなくても、そこまで寂しくない。
そういう土台があるからこそ、言えているだけなのかもしれない。
それをぶち壊してまで孤独になる必要はないと思う。
ただ、これだけはハッキリ言える。
無理して人との繋がりを広げる必要はない。
友達も、少なければ少ないほどいい。
「出会えた」というより、「出会ってしまった」くらいでちょうどいい。
でも、出会ってしまった以上、その人は数少ない人生の登場人物の一人なんだから、ちゃんと大事に接するべきだと思う。
そうした方が、関係はむしろ深まる。
100人友達を作ったって、99人は上辺だけの付き合いにしかならない。
