生より編集がお好き?

生より編集がお好き?

これまでに脚本以外にも舞台演出をやってきた。
映画が好きで始めた脚本だったが、どうして舞台を選んだかというと、映画をつくるほどお金がなかったから。
舞台だってお金は超かかるし安くあげようと思えば映像もできると思うけど、それは今の僕だから言えること。
当時、何も知らなかった僕は、低予算で自主映画を1本撮り終え、なんとも言えない作品の出来に次の作品に取り掛かる気力を失い、速やかに足を洗った。

それから上京して脚本の学校に入ったりして、バイト先の先輩の伝手で9-Statesという劇団に所属して、そこから小劇場で舞台を始めることになってからは、脚本を書きながら細々と演出をしている。
今思うと、あの時の映画の予算は10万円程度だったと思う。
舞台の方が全然高いし、続けても良かったのだろうけど、多分、その時は完成までの時間もかかる気がして、人手も必要だし、心が折れたのだろう……。

それから十数年———
実は最近は、舞台演出よりも映像演出に興味がある。
同じ演出だけど、最近分かったことは、似て非なるものだということ。
例えるなら、同じキックボクシングとMMAぐらい違う。
共通点は同じ格闘技であることぐらいで、見せ方、在り方は別物。
本来なら「舞台は映像と違って生だから〜」と言うべきところなんだけど、最近は、その編集で切り取られた感じにオリジナリティを感じるようになった。

そもそも舞台に関しては、僕の作品というより俳優のものだと思っていて、言う通りに動いてもらおうとは思っていない。
僕はただ、脚本を基に芝居がどう見えているかを観察して、解釈に齟齬がないかを確認しているだけで、方向性が間違っていなければ、表現は自由でいいと思っている。

けど、映像は表現の一部を編集が担っている気がしていて、動画を切ったり貼ったりしているうちに、絵を描いているような没入感が得られることが分かった。

と、だいぶ映像贔屓に語ってしまったけど、ベースは脚本であるのは間違いないし、舞台演出が嫌いというわけではない。ただ、ちょっとコミュニケーションが得意じゃないだけ。

今後は自分のメンタルと相談しながら、バランスよくお付き合いしていくつもり。